白拍子の装束の着方
(How to dress Shirabyoushi)
文責 (Author): 椎路 ちひろ (SHIIJI Chihiro)
WWWページ (WWW page): http://www.nerimadors.or.jp/~chihiro/
メール・アドレス (E-mail): chihiro@nerimadors.or.jp
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1999/11/20撮影。撮影に当たってはとしみず氏と
樹秘氏に協力していただきました。
実際に着るのは初めてのことなので色々と不備があると思います。
もしお気づきの点などがございましたらメール(
chihiro@nerimadors.or.jp
)ででもご指摘いただければ幸いです。
1999/11/24には装束を仕立ててくださったレリコジャパン(有職.com)の丸橋氏から写真と説明について丁寧なコメントを頂きましたので反映させました。
ありがとうございます。
部品リスト
このページで着ている白拍子の装束一式の内訳です。
- 腰紐(4本)
- 白衣(下着代わりです。)
- 單(ひとえ)
- 水干
- 長袴
- 立て烏帽子
- 太刀
- 蝙蝠(扇)
手順
以下、順を追って説明します。
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まず、下着を着ます。
ここでは巫女装束の白衣を持っていたので、「小袖」として利用しました(考えてみればそれが白衣の元々の役目ではあります)。
和装用の腰紐を締めています。
この写真よりは合わせを深く(つまり胸元の露出が少なくなるように)した方が良いようです(理由は後述)。
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「單(ひとえ)」を着ます。
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單の後ろを和装用の腰紐で留めます。この際、両側の後ろ脇に襞(「衣紋襞」)を作ります。
この時は後ろに集中して前は取り敢えず放っておきます。
これは襞のとり方が分かり易いようにと丸橋氏からいただいた見本です。
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單の前の合わせを和装用の腰紐で留めます。
この写真ではあまりちゃんとできていませんが、前にも襞を取ります。
これも白衣と同じく、この写真よりは合わせを深く(つまり胸元の露出が少なくなるように)した方が良いようです(これも理由は後述)。
これは襞のとり方が分かり易いようにと丸橋氏からいただいた見本です。
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「水干(すいかん)」の襟の胸紐を留めます。ここでは「垂れ首」という方法で留めています。
左の襟から出た紐は右脇の下から後ろへ回り、左脇の下を通って前にきます。
襟の後ろから出た紐は右肩の上から前に回っています。
この二本の紐(「頸かみの緒(くびかみのお)」)を前で片蝶々に結びます。
図解すると右図のようになっています。
ちなみに袖は伸ばした状態ではこのように長いです。
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後ろから見たところです。
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紐が通っている経路が分かり易いようにUPにしてみました。
ただ、結ぶ位置はもう少し上の首に近い位置のほうが良いようです。
さて小袖と単の合わせを深くした方が良い理由ですが、
それは右図のように、この水干の垂れ首でできるVゾーンで綺麗に合わせの重なりが見えるようにするためです。(内側から白、赤、白となっている。)
残念ながら、この写真ではイマイチ綺麗に決まっていません。
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水干の腰の部分を腰紐で留めます。
袴のウェストの位置が巫女装束のとき同様、普通の服のウェストよりはかなり上なので、それを考慮しつつ腰紐を締めたほうがいいでしょう。
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後ろから見たところです。
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「紅の長袴」をはきます。
後ろ側にヘラ状の小板がくるようにします。
(私はこのヘラ状の小板を腰紐に挟んで袴を仮止めするようにしていますが、
これは正しいのかどうかわかりません。)
はくときには裾を踏まないように注意します。
(袴の裾を手繰り寄せて片足づつ一旦完全に通し切ってしまうのが安全でしょう。
ちなみに出来上がるまでは足は通して外に出したままの方が何かと楽です。)
袴のウェストの位置は巫女装束のとき同様、普通の服のウェストよりはかなり上です。
有職.comさんの袴には(歴史的にはないものだそうですが)
着装を楽にするための補助紐が付いているのでこれをまず締めます。
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袴の紐を締めます。普通の袴と違って片側で留めるようになっています。
前側の紐を後ろへ回して一周させて後ろ側の紐と片蝶々に結びます。
(この写真では後ろへ回った紐が外へ出ていますがこれは間違いで、
本当は袴の内側を通るようです。)
図解すると右図のようになります。
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「丈長(たけなが)」です。これは金属製で、このように留め金を外すことができます。
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髪を縛って丈長をつけます。
この垂らし髪は私の自前ですが、長さが足りない人にはヘアピース状の垂らし髪もあります。
この写真では、いつもの癖でつい上のほうで縛ってしまいましたが、
「下げ髪」ということで、もっと下のほうで縛り、耳に掛かるくらいで良いようです。
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「立て烏帽子」を被ります
(折り目に沿って烏帽子の前面を「へこませる」と立った状態が維持できます)。ちなみにこの写真よりはもう少し目深に(つまり前傾させて)被ったほうが良いようです。
最後に「太刀」を佩いて出来上がりです。
(今のところ困ったことに太刀の後ろが下がってしまいます。どうしたものなんでしょうね。)
右手に持っているのは「蝙蝠(かわほり)」という扇です。
さて、写真ではあまりそうなっていませんが、
水干の前面はもっと余裕を持たせて弛ませて置いた方が良いようです。
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袴はこのように長いです。この写真では袴の裾が左右に開いていますが、真っ直ぐ後ろに流した方がカッコいいようです。
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後ろから見たところです。
ちなみに水干についているポンポン状のものは「菊綴じ」といい、袖の紐は「袖括りの緒」というそうです。
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水干の襟の部分を別の方法「上げ頸」で留めてみました。
これは簡単で、左の襟から出ている紐と襟の後ろ彼出ている紐を襟の右前で結ぶだけです。
イラストとかで描かれているのはこちらの方が多いような気がするので、
こちらのほうが世間ではメジャーかも。
ちなみに、水干は5番でも述べたように袖が長いので、
普段は右図のように一部折り込んでいます。