1974年、マーガレットコミックスで出版。あらすじは、考古学博士の父を持つ女の子滝川美也が、父親と一緒にムー大陸の子孫と思われる赤色人の調査に太平洋の島にいきます。そこで赤い女神の息子のラムと仲良くなります。ところが赤色人の帝国が滅びかけ、ラムは残った人々を率いて新しい赤色人の帝国を築くために女の子に黙って旅立ちます。今の世界では人種差別があるから暮らしていけないから。女の子はいつか世界がひとつになったらまたラムに逢えると希望をもつ。終わり。雑なあらすじですみません。
水野英子の『こんにちは先生』ですが、私もずっと読みたかったところを古本屋で探して、やっと見つけたので持ってはいます。マーガレットコミックス全2巻。大金持ちの娘さんと街の一医者の、とってもステキなラブコメざんす。いま奥付を見たら、初版が1968年8月20日ですって!ひゃー。このくらいの時期の少女まんがって、読み切りだと文春ビジュアル文庫などの中の一編として収録されたりするけれど、こういう連載もんのって文庫化とかしづらいのが困りますねえ。
また水野英子という作家自身が、同時期のわたなべまさこなんかと違って現在もバリバリに描いているわけではなく、近頃では以前のトキワ荘のお仲間という事で、(例えばこないだの赤塚不二夫の時もそうだったんですけど)展覧会などがあると絵入りでコメント送ったりとか、そういうのでしか見られないっていうのも復刊に繋がらないところなのではというのもあり、何ともはがゆい限りです。少女まんがにおいて、かなりの貢献者なのになあ水野英子って。……以上、私の知る限りのことは、こんなものです。
おおっ、こんなところにもレトロ少女漫画のコレクターがいらしたとは。「すなこ育子さん作品」……まさかこの言葉を聞けるとは思ってもみなかった。若木書房「ひまわりブック」の「赤い童話」は以前読んだことがあります。私は特に若木書房の少女漫画を以前大量入手したのがきっかけで、(その後、家族の反対のため、泣く泣く他のコレクターに譲ることに。残念)いろいろ研究し始めたのですが、なにしろ貸本漫画自体の情報が少ない中で、その中の少女漫画ともなると、情報は皆無に等しい状態。かなり手探りの状態ですが、がんばって進めています。
また、若木書房は、貸本漫画で下積みし、後に「少女フレンド」など大手漫画雑誌で描くようになった漫画家(杉本啓子、わたなべまさこ、池田理代子など)の、雑誌連載作品の単行本化も積極的に行なっていましたね。1960年代以前の、現在再版されていない貴重な作品を幾つか見る機会がありましたが、秀作揃いなのに再版されていないのが、なんとも惜しいところです。
私のホームページの宣伝になりますが、貸本漫画(特に少女向け漫画)、および若木書房の少女漫画単行本を中心に扱ったページを開設しています。また、既刊本の目録を製作中です。